2026年4月度 ブルーカラービリオネア実態調査レポートを発表しました

分析用求人ビッグデータを提供する、株式会社フロッグ(所在地:東京都千代田区、代表取締役:阪野 香子、以下「当社」)は、「2026年4月度 ブルーカラービリオネア 日本での実態調査レポート」を発表しました。

概要

アメリカでは、建設業や物流業などの現場職を中心に、高収入を得ている「ブルーカラービリオネア」が注目を集めています。人手不足や賃上げ圧力、さらにAIによるホワイトカラー職種への影響を背景に、従来は低賃金と見られがちだった職種の価値が見直されつつあります。

では、日本においても同様の現象は起こり得るのでしょうか。本記事では、アメリカの動向や日本の人手不足・AIの影響といった構造変化を踏まえつつ、フロッグが保有する求人ビッグデータをもとに、ブルーカラーとホワイトカラーの賃金動向を多角的に分析。日本版ブルーカラービリオネアの可能性を探ります。

トピック

・米国ではブルーカラーが高年収を得るブルーカラービリオネアが注目されているが、日本では同様の動きはデータ上まだ確認できていない
・月給70万円以上の高月給帯では、依然としてホワイトカラーの求人数がブルーカラーの約7倍にのぼり、両者の賃金格差は大きい
・直近の賃金伸び率はブルーカラーでも上昇傾向にあり、特に施工管理や鉱業関連など一部の専門職では大幅に伸びている
・地域別では沖縄など一部で伸び率の逆転も起きているが、幅広い層での高年収化には至っていない

実際のデータで考察!日本でブルーカラービリオネアが起こる可能性は?

フロッグが保有する求人ビッグデータをもとに、ブルーカラーの賃金水準やその変化を具体的に見ていきます。実際の数値から、日本におけるブルーカラービリオネアの可能性を探ります。

ブルーカラー vs ホワイトカラー!賃金の違いを解説

まずはブルーカラーとホワイトカラーの賃金構造の違いを整理します。高月給求人の分布や平均月給の推移を比較し、両者の現状と格差の実態を明らかにしていきます。

✔高月給帯の求人数にはどのくらい違いがある?
2026年3月時点における高月給帯の求人数について、ブルーカラーとホワイトカラーを比較します。

まずは月給50万円台以上の求人数について見ていきます。月給50万円では、ボーナスを2ヶ月分と仮定した場合、年収は約700万円となります。

ブルーカラーで50万円台以上の求人数は2,635件で、求人全体に対する構成比は0.92%となりました。対するホワイトカラーの求人数は12,739件で、構成比は4.58%です。ホワイトカラーの求人数はブルーカラーの約4.8倍で、構成比の差もホワイトカラーが+3.66pt高いという結果でした。

次に、より給与が高い70万円台以上の求人数について見ていきます。月給70万円では、ボーナスを2ヶ月分と仮定した場合、年収は約980万円と1,000万円近い水準になります。

ブルーカラーで70万円台以上の求人数は225件で、求人全体に対する構成比は0.08%です。対するホワイトカラーの求人数は1,575件で、構成比は0.57%となりました。求人数はホワイトカラーが7倍、構成比の差もホワイトカラーが+0.49pt高いという結果です。

高月給帯の求人数はホワイトカラーの方が多く、よりビリオネアに近い月給70万円以上ではその差がさらに大きくなり、ホワイトカラーとブルーカラーでの格差はむしろ拡大している可能性があります。

また、ブルーカラーの月給はボリュームゾーンが20万円台、次いで20万円未満です。ホワイトカラーでもボリュームゾーンは同じく20万円台ですが、次に多い層は30万円台でした。このことから高月給帯以外でも、ホワイトカラーの賃金水準の方が高いことが分かります。

✔平均月給の推移を比較!
ブルーカラーとホワイトカラーの月給はこれまでどのように変化してきたのでしょうか。2020年3月〜2026年3月の6年間で、それぞれ平均月給がどのように推移しているかをグラフにまとめました。

ブルーカラーの平均月給は、2020年3月2日時点で208,770円、2026年3月2日時点で244,802円となり、6年間の伸び率は+17.26%です。ホワイトカラーの平均月給は、2020年3月2日時点で225,434円、2026年3月2日時点で281,938円で、6年間の伸び率は+25.06%となりました。

月給の実数や伸び率ともに、ホワイトカラーの方が高いことがわかります。平均月給も合わせて考えると、現時点ではブルーカラービリオネアが起こっているとはいえません。

ただし、前年からの伸び率をあらわす昨年比の推移を見ると、2024年以降は同水準に近づきつつあります。

ホワイトカラー優位の賃金構造は現時点で大きく変わってはいませんが、伸び率の差の縮小など少しずつ変化の兆しは見えてきています。

職種別に平均月給を比較してみた

次に職種別にブルーカラーとホワイトカラーの平均月給を見ていきましょう。

✔コンサル/士業が月給約35万円!職種大分類別に見た違い

職種大分類とは、職種を大きく分類した区分です。職種大分類別に2026年3月2日時点の平均月給を確認すると、全体としてホワイトカラーの職種の方が平均月給が高く、1位は「コンサル/士業」です。他職種と比べ飛びぬけて高い水準で、月給は35万円近くに達します。

唯一ホワイトカラーの職種の平均月給を上回ったブルーカラーの職種は、「施工管理/技能工」です。平均月給は276,489円と、ホワイトカラーである「営業/事務」の269,371円を7,118円上回りました。

✔6年間で月給が約1.5倍になった職種も!職種中分類別の平均月給

続いて、より細かい分類である職種中分類のデータを見ていきます。2020年から2026年の6年間の平均月給伸び率は、ブルーカラーである「建設/土木/エネルギー」の中から「鉱業関連」が1位となりました。+52.02%と6年間で平均月給が約1.5倍になっています。

「鉱業関連」では、具体的に以下のような求人が出ていました。
・山口県の鉱山で石灰石を破砕・選鉱・輸送する設備の管理業務/月給47万円~
・滋賀県の鉱山での採掘・プラントのマネージャー/月給38万円~

どちらの求人も、月給50万円以上の高月給帯には届きません。しかし、2020年には平均月給が20万円以下だったのに対し、近年は月給水準の高い求人も出てきています。このことから分かる通り、細かく職種を見ていくと例外的に賃金が伸びているブルーカラー職種もあります。

一方で、アメリカのブルーカラービリオネアの代表格である「建設作業」は伸び率+11.25%でワースト4位、平均月給は246,791円で57職種ある全体のうち38位です。こうした点を踏まえると、アメリカのような状況になることは、今のところ考えにくいといえます。

ちなみに、平均月給の伸び率のワースト1位はホワイトカラーである「ITエンジニア」の「システム開発(汎用機系)」で、+7.19%です。月給の高いイメージがあるエンジニアですが、今後はその中でも稼げる職種と稼げない職種に分かれていくのかもしれません。

まとめ

現時点の日本において、アメリカのようにブルーカラービリオネアが一般的に生まれているとは言い難い状況です。一方で、施工管理や鉱業関連といった一部職種や、特定の地域では賃金上昇の兆しが見られ、ブルーカラー職種でも変化は起き始めています。

また、直近ではブルーカラーの賃金伸び率がホワイトカラーに近づいており、この傾向が続けば一部の領域から高収入層が生まれる可能性もあります。ただし、その中心は現場作業ではなく、高度な技能やマネジメントを担う層になると考えられます。

特に建設業では元請から下請へ業務が重層的に委託される多重下請け構造といった課題もあり、アメリカと同様の形でブルーカラービリオネアが広く生まれる可能性は低いのではないでしょうか。

本件の詳細は下記URLよりご覧ください
https://hrog.net/report/134812/