株式会社ナウキャストが賃金動向指数サービス「HRog賃金Now」を用いたレポートを公開しました
株式会社ナウキャストは、「HRog賃金Now」の指数を用いて、2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の際の北海道の求人及び募集賃金への影響について調査しました。同調査は、令和6年能登半島地震の今後の求人市場への影響を検討する上で参考とするために実施されました。
以下、サマリーより一部抜粋
・北海道胆振東部地震発生後、北海道の求人数指数前年比は約1年間程度全国平均の伸び率を上回って推移しており、人手不足感が強い状況にあったとみられる。
・職種別にみると、特に建設・土木・運輸および医療・医薬・福祉では震災後求人数指数前年比の伸び率が全国平均を大きく上回っていた。東日本大震災の際にもこうした職種の人手不足が強まったとされている。
・建設・土木・運輸では、求人数指数前年比が全国対比高い伸び率で推移していたが、募集賃金は据え置きとなっていた。もっとも、半年後に募集賃金の水準が上昇し全国との差が縮小すると、求人数指数前年比の全国対比での伸び率も縮小していった。
・ホテル・旅館・ブライダルについては、求人数指数前年比が全国の伸び率を下回る傾向が約半年続いたが、政府と北海道の迅速な需要喚起策の実施により早期に観光客数が回復したことから求人面での弱さは長期化しなかったと思われる。
・東日本大震災の際には、建設土木や医療福祉関係の雇用ミスマッチが深刻となっていたことが指摘されている。また、北海道胆振東部地震においては、政府や地方自治体の迅速な需要喚起策により、観光関連業種における求人需要の減少の長期化を免れたと考えられる。震災発生後、求人動向を速報性・高頻度性のあるデータを使ってにモニタリングすることで、適時に必要な対策を講じることを可能にし、震災からの迅速な復興に資すると考えられる。