2025年9月度 求人原稿 福利厚生トレンドレポートを発表しました

分析用求人ビッグデータを提供する、株式会社フロッグ(所在地:東京都千代田区、代表取締役:阪野 香子、以下「当社」)は、「2025年9月度 求人原稿 福利厚生トレンドレポート」を発表しました。

概要

コロナ禍以後、新たな働き方としてリモートワークが浸透しましたが、近年では大手企業を中心に出社回帰の傾向が強まりつつあります。一方、Indeed Japan株式会社の「リモートワークに関する仕事検索動向を調査」によれば、求職者が「リモートワーク」のキーワードで仕事検索をする割合は2019年から2025年の6年間で2.9倍と増加、特にフルリモートの検索数は同期間で90.9倍に拡大しています。

今回は当社が収集している求人媒体の掲載情報を活用し、2025年9月の「求人原稿 福利厚生トレンドレポート」をお届けします。依然としてリモートワークを希望する求職者が多い中、企業はどのような条件で求人を出稿しているのでしょうか。最新の求人市場トレンドを示す参考資料としてぜひご活用ください!

トピック

  • フルリモート求人は2023年以降ほぼ500件前後で横ばいにとどまる一方、リモート求人は増加を続け、直近1年では11,289件から12,995件に(+15.1%)。
  • 「仕事内容」にリモートを記載した求人は直近1年間で45,386件から39,919件へ減少したのに対し、「福利厚生」にリモートを記載した求人は11,289件から12,995件へ増加。

リモート求人とフルリモート求人の比較

福利厚生欄に「リモート」や「フルリモート」と明記された求人数を比較すると、全体としてリモート求人の方が圧倒的に多く、現在も増加傾向が続いていることが分かります。リモート求人自体は2019年1月の初週から出稿が見られる一方、フルリモート求人が登場したのは同年4月以降でした。フルリモート求人は2023年5月以降おおよそ500件前後で横ばい状態が続いています。

出社回帰の流れが指摘される中でも、求職者のリモート勤務志向は依然強いため、企業は完全なフルリモートではなくリモート勤務を条件とした求人を出すことで、柔軟に対応している姿勢がうかがえます。

リモート求人と在宅求人の比較

「在宅」というキーワードを含む求人件数は、2025年9月初週時点で18,860件に達しており、同時期のリモート求人12,995件を上回っています。

しかし、伸び率で見ると在宅求人は横ばいにとどまり、リモート求人は大幅な増加を続けていることが分かります。

リクナビ「テレワーク、リモートワーク、在宅勤務の違いとは?働き方やメリットを知ろう」によれば、「在宅」は自宅勤務に限定されるのに対し、「リモート」は場所や時間の柔軟性を含む広い概念として浸透しています。厳密に各企業が用いている定義は不明であるものの、こうした違いを踏まえると、コロナ禍当初に主流だった「家で働く」という在宅勤務の形から、より多様で柔軟な働き方を示すリモート勤務へとシフトが進み、その流れが求人件数や伸び率の差として表れていると考えられます。

記載項目の動向

仕事内容欄に「リモート」や「在宅」と記載された求人件数は福利厚生欄よりも多い傾向にありますが、直近1年間では減少傾向が見られました。「仕事内容」にリモートを記載した求人は45,386件から39,919件へ減少(-12.0%)、「仕事内容」に在宅を記載した求人は36,015件から33,910件へ減少(-5.8%)、「福利厚生」に在宅を記載した求人は19,494件から18,860件へ微減(-3.3%)。

一方、「福利厚生」にリモートを記載した求人のみ11,289件から12,995件へ増加(+15.1%)しています。

各企業の記載方法に違いがあることを考慮する必要はありますが、リモート勤務はもはや特別な仕事内容の条件としてではなく、求職者の強いニーズに応える形で福利厚生として提示されるケースが増えていることが伺えます。

都道府県別の動向

直近1年間の都道府県別リモート求人の増減をみると、最も増加率が高かったのは福島県で、最下位は佐賀県でした。全体では44都道府県で増加しており、全国的な拡大傾向が確認できます。

ただし、東京は44位と低く、神奈川・愛知・千葉・大阪といった大都市圏も上位には入っていません。都市部より地方でリモート求人が伸びている傾向が見て取れ、地方での採用活動においてリモート勤務が競争力強化の一要素になりつつあると考えられます。

まとめ

コロナ禍を契機に広がったリモート勤務は、出社回帰の動きがある中でも求人件数としては増加を続けています。特に「在宅」より柔軟性を含む「リモート」が浸透し、求人原稿の扱いも仕事内容欄から福利厚生欄へと移行しつつあります。地域別では地方での増加が目立ち、都市部との対照が鮮明になっています。

一方で、概要で触れたようにフルリモートの検索割合は急拡大しているものの、実際の求人件数はここ数年横ばいにとどまっています。求職者ニーズと実際の求人との間に依然としてギャップが存在しており、今後の採用市場を考える上では、この差をどのように埋めていくかが重要な論点となっていくかもしれません。

求人ビッグデータを活用することで、より詳細に、よりリアルタイムに捉えられます。ぜひ今後の営業活動や採用活動にご活用ください。

本件の詳細はこちらのPDFよりご覧ください。
【2025年9月度】求人原稿 福利厚生トレンドレポート