2025年11月度 都道府県別 最低賃金改定後レポートを発表しました

分析用求人ビッグデータを提供する、株式会社フロッグ(所在地:東京都千代田区、代表取締役:阪野 香子、以下「当社」)は、「2025年11月度 都道府県別 最低賃金改定後レポート」を発表しました。
概要
厚生労働省が発表した「地域別最低賃金の全国一覧」によると、2025年度の最低賃金引き上げ額の幅は63円~82円となりました。最低賃金の全国加重平均額は1,121円で、2024年度の1,055円から66円増加。昨今の物価高などが反映され、賃上げの勢いが強まっている様子がうかがえます。
過去最大となる最低賃金の引き上げが順次行われていますが、求人サイトでの募集時給にはどのような影響を与えているのでしょうか。今回は当社が収集している求人媒体の掲載情報を活用し、最低賃金の改定が実施された自治体について分析しました。最新の傾向を示す参考資料として、ぜひご活用ください!
※本レポートでは、2025年10月8日~11月1日までに最低賃金の改定が施行された下記14府県について主に分析します。10月7日以前に施行された自治体については「2025年10月度 都道府県別 最低賃金改定後レポート」をご参照ください。
対象:茨城県、埼玉県、富山県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、大阪府、和歌山県、広島県、山口県、香川県、鹿児島県
トピック
・直近で最低賃金が改定された自治体では、新最低賃金未満の求人が1%を超え、反映が追いついていない状況となった
・募集時給の全国平均は2025年9月から11月の2ヶ月間で+2.60%上昇し、過去数年と比べても大幅な伸びを記録
・最低賃金改定を行った自治体のうち、特に鹿児島県(+4.73%)、広島県(+3.96%)、山口県(+3.86%)で募集時給の上昇が顕著
・鹿児島県や静岡県、和歌山県では求人数が減少するなど、最低賃金改定に伴い求人掲載を控える動きも一部で見られた
募集時給の動向
全国平均の推移

アルバイト系求人サイトにおける募集時給の全国平均を見てみると、2025年10月から2025年11月までの1ヶ月で1,217円から1,225円へと+0.66%(8円)上昇しました。
2025年度について詳しく見ると、最低賃金の改定が開始された10月には、前月の9月から1.93%上昇する大幅な伸びを示しました。施行日前に時給を引き上げる企業も多く、11月の前月比は+0.6%程度にとどまっています。一方で、9月から11月の2ヶ月間で累計すると+2.60%となり、過去数年と比べても大きな伸びとなりました。
最低賃金の引き上げをこれから行う自治体も残っているため、今後の動向にも注目です。
都道府県別の動向
ここでは、今回の調査対象となる自治体において、最低賃金改定によるアルバイト・パート採用への影響を様々な角度で分析していきます。

まず、最低賃金改定前後となる2025年9月から11月にかけての募集時給の上昇状況を都道府県別に見てみます。上昇率ランキングは鹿児島県が+4.73%で1位となり、73円の最低賃金引き上げが募集時給にも大きく反映されていることがうかがえます。次いで広島県が+3.96%、山口県が+3.86%と続き、対象自治体では短期間で顕著な上昇が見られました。
全国平均の上昇率は+2.60%となっており、今回対象となった自治体のうち、埼玉県を除く全ての自治体は全国平均を上回る上昇率を記録しています。最低賃金の改定が募集時給に与える影響の大きさが改めて確認できる結果となりました。
まとめ
今回は当社が保有する求人データを活用し、最低賃金の改定が実施された自治体について分析しました。
今回の調査では、直近で最低賃金が改定された自治体の一部では、新最低賃金未満の求人が1%を超える状況が確認され、改定内容の反映にはまだ差があることが分かりました。賃上げの波が急速に進む中、求人内容や労働条件の見直しが引き続き課題となります。
募集時給は9月から11月の2ヶ月間で+2.60%の上昇を示し、特に鹿児島県や広島県、山口県では短期間で顕著な伸びが見られました。最低賃金に対する上乗せ額では埼玉県がトップとなる一方、地域間の違いも確認されました。
また、鹿児島県や静岡県、和歌山県では求人数が減少するなど、企業側の採用状況にも影響がみられました。今後も最低賃金の引き上げは続く見込みであり、企業には賃金改定への柔軟な対応とあわせ、業務効率化や生産性向上によって持続可能な賃上げ体制を整えることが求められます。
求人ビッグデータを活用することで、より詳細に、よりリアルタイムに分析することが可能です。ぜひ今後の営業活動や採用活動にご活用ください。
本件の詳細はこちらのPDFよりご覧ください。
【2025年11月度】都道府県別 最低賃金改定後レポート

