ナウキャストとフロッグ、求人ビッグデータをもとにした賃金動向指数サービス「HRog賃金Now」を提供開始

~「募集賃金指数」と「求人数指数」で日本経済と金融政策の先行きを予測~

 次世代金融インフラの提供を通して組込型金融を実現するFinatextグループの株式会社ナウキャスト(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:辻中 仁士、以下「ナウキャスト」)と、分析用求人ビッグデータを提供する株式会社フロッグ(本社:東京都千代田区、代表取締役・メディア統括:菊池 健生、以下「フロッグ」)は、大量の求人広告データ(以下「求人ビッグデータ」)をもとにした賃金動向指数「HRog賃金Now(読み:フロッグ賃金ナウ)」の提供を2024年1月から開始します。また、本日2023年12月22日(金)から無料トライアルの申し込みを受け付けます。

■開発背景
 足元で前年比2%を超える物価上昇が続く中、政府や日本銀行が最重視している賃金や労働市場の動向把握は、政策の先行きを予測するうえで極めて重要です。求人市場における募集賃金の上昇はラグを伴いながらも正社員の賃金を押し上げていくと考えられ、募集賃金の動向把握は先行きの支払賃金の動向予測に役立ちます。

■「HRog賃金Now」の特長
 「HRog賃金Now」は、労働市場に関する各種公的統計と比較して高い頻度性と速報性を持ち、「地域×職種」のクロスセル分析が容易な賃金動向指数サービスです。公的統計と「HRog 賃金Now」とを合わせて見ることで公的統計の数値を相対化し、解釈にさらなる深みをもたらすことができます。

1、正社員募集賃金と求人の状況を高い速報性と高頻度性で提供
 求人広告データの取得日から2週間後という高い速報性で指数を提供します。指数は週次で更新され、水準値や前年同期比でもご覧いただけます。

2、都道府県別×職種別のクロスセル分析が可能
 「大都市の事務職」、「観光産業の盛んな都道府県の宿泊関係の職種」、「自動車産業の集積地における工場職種」など、全国や他県の当該職種対比での募集賃金や求人数の動向を確認することができます。

3、日本経済や金融政策を予測するために活用
 「募集賃金指数」は募集賃金の統計です。日本経済の現状を評価し、政府の政策や日本銀行の金融政策の効果が求人市場にどのようにあらわれているか分析することで、日本経済や金融政策の予測に活用できます。

「HRog賃金Now」の開発を監修した、株式会社ナウキャスト 創業者・技術顧問 渡辺努のコメント
 最近2代の日銀総裁が使う言葉の特徴は「賃金」だ。講演での「賃金」の使用頻度はそれ以前の総裁たちの約10倍だ。政府も最低賃金を10年で現行の1000円から1500円まで引き上げると表明しており、政府・日銀の政策の焦点は間違いなく賃金だ。経団連や連合も賃上げを最重要の課題と位置づけている。しかし、社会の関心がここまで賃金に集まる中で、肝心の賃金変数が可視化できているかといえば、甚だ心もとない。数年前の賃金絡みの統計不正は問題外として、純粋に統計的な観点からも、政府の賃金統計には課題が多く、このままでは政策運営や企業経営に支障を来しかねない。「HRog賃金Now」は、民間のイニシアティブでこれを解決しようとするプロジェクトだ。もちろんこの指標も100点満点ではない。これを契機として民間発の賃金指標が数多く登場し賃金の可視化が一気に進むことを期待したい。

株式会社ナウキャスト 創業者・技術顧問 / 「HRog賃金Now」監修者
渡辺 努


日本銀行、一橋大学を経て2011年より東京大学大学院経済学研究科教授。 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹、財政制度等審議会委員などを兼務。 日本学術振興会基盤研究S『長期デフレの解明』において東大日次物価指数を公開。

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