2025年5月度の職種別 賃金伸び率ランキングを発表しました

分析用求人ビッグデータを提供する、株式会社フロッグ（所在地：東京都千代田区、代表取締役：阪野 香子、以下「当社」）は、「2025年5月度 職種別 賃金伸び率ランキング」を発表しました。

※本調査はアルバイト・パート、派遣、正社員の各雇用形態において、下記求人媒体に掲載されている求人情報を収集・集計しました。
○アルバイト・パート ：「イーアイデム」「バイトル」「マイナビバイト」
○派遣 ：「はたらこねっと」「エン派遣」
○正社員 ：「doda」「type」「エン転職」「マイナビ転職」

概要

日本経済新聞「中小企業、賃上げ率最高4.38% 利益より人材確保優先も」によれば、中小企業における平均賃上げ率が4.38%と、データのある2002年以来で最も高くなりました（2025年4月18日時点）。賃上げ額も1万4309円まで増加しており、物価高や人手不足の影響を受けて、大企業だけでなく中小企業にも賃上げの動きが広がっています。こうした状況の中、各職種の賃金はどのように推移しているのでしょうか。

今回は当社が収集している求人媒体の掲載情報を活用し、2025年5月の「職種別 賃金伸び率ランキング」をお届けします。前月比でどれだけ賃金が上昇しているのか、各職種最新の傾向を示す参考資料としてぜひご活用ください！

2025年5月度トピック（職種別）

■雇用形態別の賃金増減率（前月比）は、アルバイト・パートが-0.86％～+3.31％、派遣が-1.73％～+0.69％、正社員が-1.38％～+0.56％。

■職種別賃金増加率ランキングの1位は、アルバイト・パートが「営業/事務/企画/管理」（前月比+3.31％）、派遣が「クリエイティブ（Web以外）」（+0.69％）、正社員が「医療/医薬/福祉」（+0.56％）。

アルバイト・パート（職種別）

アルバイト・パートの職種別賃金伸び率ランキング（前月比）トップ3は、1位が「営業/事務/企画/管理」（増加額+41円、増加率+3.31%）、2位が「建設/土木/エネルギー」（増加額+35円、増加率+2.46%）、3位が「教育/語学/スポーツ」（増加額+28円、増加率+1.63%）でした。

ワースト1は「美容/エステ/ネイル」（減少額-10円、減少率-0.86%）でした。

1位の「営業/事務/企画/管理」と13位の「美容/エステ/ネイル」における直近12か月の賃金推移を比較すると、「営業/事務/企画/管理」は平均時給1,200円台を安定して維持し、2025年4月から5月にかけては41円増加して1,280円に到達。1,300円台目前まで上昇しています。複数の派遣企業による時給下限平均1,800円の高時給求人が複数出稿されたことが大きく影響しました。

「美容/エステ/ネイル」の平均時給は2024年9月から同年11月にかけて増加傾向に入ったものの、以後は緩やかな減少傾向を見せています。

派遣（職種別）

派遣の職種別賃金伸び率ランキング（前月比）トップ3は、1位が「クリエイティブ（Web以外）」（増加額+13円、増加率+0.69%）、2位が「営業/事務/企画/管理」（増加額+9円、増加率+0.58%）、3位が「ITエンジニア/IT系専門職」（増加額+13円、増加率+0.48%）でした。

ワースト1は「医療/医薬/福祉」（減少額-28円、減少率-1.73%）でした。

1位の「クリエイティブ（Web以外）」と10位の「医療/医薬/福祉」における直近12か月の賃金推移を比較すると、「クリエイティブ（Web以外）」は平均時給1,800円以上の高水準を維持しながら横ばいで推移しています。

「医療/医薬/福祉」は2024年10月に特定の派遣会社が高時給求人を複数出稿したことで平均時給が大きく上昇しました。その後、これらの高時給求人が掲載終了となった影響で、2024年11月には平均時給が急落。以降は上昇傾向が続いていましたが、2025年4月から5月にかけては1,619円から1,591円へと下落し、6か月ぶりに減少へ転じました。

正社員（職種別）

正社員の職種別賃金伸び率ランキング（前月比）トップ3は、1位が「医療/医薬/福祉」（増加額+1,565円、増加率+0.56%）、2位が「クリエイティブ（Web系）」（増加額+1,669円、増加率+0.54%）、3位が「専門職」（増加額+1,455円、増加率+0.49%）でした。

ワースト1は「映像/イベント/芸能/キャンペーン」（減少額-4,091円、減少率-1.38%）でした。

1位の「医療/医薬/福祉」と17位の「映像/イベント/芸能/キャンペーン」の直近12か月の賃金推移を比較すると、「医療/医薬/福祉」は平均月給30万円の水準をほぼ横ばいに推移。

「映像/イベント/芸能/キャンペーン」は2024年5月から6月にかけて賃金が大幅に減少しました。全体的に月給30万円未満の求人が増加し、30万円以上の求人が減少したことが影響しています。8月にかけて月給30万円以上の求人が増加したことで賃金も上昇。その後はおおむね横ばいで推移していましたが、2025年に入ってからは緩やかな減少傾向が続いています。

本件の詳細はこちらのPDFよりご覧ください。
【2025年5月度】職種別 賃金伸び率ランキング