2026年2月度 スポットワーク市場 ポテンシャル分析レポートを発表しました

分析用求人ビッグデータを提供する、株式会社フロッグ(所在地:東京都千代田区、代表取締役:阪野 香子、以下「当社」)は、「2026年2月度 スポットワーク市場 ポテンシャル分析レポート」を発表しました。

概要

新しい雇用の形「スポットワーク」は、既存の求人市場に少なくない影響を与えています。スポットワーク市場を切り拓いてきた最大手・タイミーでは、従来派遣や請負で担われてきた業務を代替する取り組みを進めており、「人材派遣は徐々にスポットワークに置き換えられていくのではないか」という声も上がっています。


そこで今回は、スポットワーク市場を切り拓いた現最大手・タイミーの流通総額と派遣市場の現状をHRogチャートを用いて分析し、スポットワーク市場のポテンシャルについて調査しました。

タイミー流通総額・スポットワーク市場規模・派遣市場規模を比較!

※1:2025年までの実績はタイミー決算資料に基づく。2026年以降の予測は2024→2025年の流通総額成長率(127%)を毎年適用して試算。
※2:2024年までの実績は矢野経済研究所調査に基づく。2025年以降の予測は2023→2024年の成長率(132%)を毎年適用して試算。
※3:2024年までの実績は矢野経済研究所調査に基づく。2025年以降の予測は2023→2024年の成長率(103%)を毎年適用して試算。

まずは、派遣市場とスポットワーク市場の規模差を確認しておきましょう。24年度の労働者派遣売上高は約9兆3200億円だったのに対し、同年のスポットワーク市場規模は約1100億円、タイミー流通総額は約900億円でした。

派遣市場規模を100とした場合、スポットワーク市場全体は約1.2%、タイミー単体では約1.0%に過ぎず、2024年度時点では、スポットワーク市場は派遣市場と比べて、まだ非常に小規模な市場であることが分かります。

一方で、タイミーの流通総額は急拡大を続けています。2025年の成長率はスポットワーク市場が132%、タイミー流通総額が127%と高水準を維持しています。

派遣市場規模、スポットワーク市場規模、タイミーの流通総額について、直近の成長率が今後も続くと仮定すると、2034年にはスポットワーク市場全体は1.8兆円規模、タイミーの流通総額は約1兆円規模に達する見通しです。これは同年の派遣市場(予測値)に対して、それぞれ約14.7%、約8%に相当する水準であり、派遣業界にとって無視できない規模へと拡大する可能性があります。

職種×時給でスポットワークと派遣を比較!

※タイミーの職種別平均時給はスポットワーク研究所「スポットワーク市場クォータリーレポート」2025年3Qに基づく。
※派遣給求人の職種別平均時給は「HRogチャート」のデータから算出、「はたらこねっと」「エン派遣」2025年5〜7月取得データから雇用形態「派遣」の求人を集計。職種分類はスポットワーク研究所「スポットワーク市場クォータリーレポート」の分類と対応させている。

全職種平均で見ると、派遣求人の時給は1,423円、タイミーは1,167円と、派遣の方が257円高くなっています。自由度や気軽さよりも、時給を重視する求職者にとっては、現時点では派遣求人の方がより魅力的な選択肢であることがうかがえます。

一方、「生活衛生サービス」(差額177円)や「運搬」(差額216円)では、派遣とタイミーの時給差が比較的小さいことが分かりました。美容・エステなどの「生活衛生サービス」では提供する専門スキルが職場によって大きく変わりにくく、また「運搬系職種」は業務内容が定型化しやすい特徴があります。このように時給差の小さい職種は、派遣のメリットである「長期配置・育成に基づいた付加価値」が相対的に小さいという共通点があり、スポットワークが浸透しやすい領域と言えるでしょう。

これに対して、「商品販売」(差額362円)、「一般事務」(差額332円)、「社会福祉の専門的職業」(差額336円)はいずれも時給差が300円以上と大きく開きました。これらの職種では、派遣の時給は全職種平均を上回る一方で、タイミーでは平均前後〜平均以下にとどまっています。差額の大きい職種ほど求人企業は両者を明確に使い分けており、派遣スタッフとスポットワークのスタッフで棲み分けが進んでいる可能性があります。

例えば「商品販売」では、高い接客スキルやブランド理解など中長期の育成が必要な店舗では派遣スタッフを活用する一方、補助的な接客で対応可能な現場はスポットワークが選ばれているとも考えられるでしょう。

このように、同じ職種でも「継続的に働いてもらうこと」それ自体が大きな付加価値となる職場や業務内容の求人は、スポットワークによる代替は一部に留まりそうです。ただし、これらの職場・業務内容でも、今後マニュアル化が進んだり、業務が細分化されたりすれば、スポットワークの活用が進む可能性は十分あるのではないでしょうか。

まとめ

今回は当社が保有する求人データを活用し、スポットワーク市場のポテンシャルについて分析しました。

調査の結果、「すべての派遣の仕事がスポットワークへ一気に置き換わる」という可能性は低いことがわかりました。一方、継続的に働いてもらう必要性が低い業務については、今後はスポットワークへと置き換わっていくシナリオも十分に考えられます。

現在、タイミーの流通総額は派遣市場全体と比べるとまだ小さいものの、高い成長が続けば、派遣業界にとって無視できない存在になるでしょう。今後派遣会社には、スポットワークが拡大する領域を見極めて、自社がどの職種で「長期配置・育成に基づいた付加価値の高い人材」を提供するのかを戦略的に考えていく必要がありそうです。

求人ビッグデータを活用することで、より詳細に、よりリアルタイムに分析することが可能です。ぜひ今後の営業活動や採用活動にご活用ください。

本件の詳細は下記URLよりご覧ください
https://hrog.net/knowledge/134234/