2026年8月度 営業職・レイヤー別管理職の給与調査レポートを発表しました

分析用求人ビッグデータを提供する、株式会社フロッグ(所在地:東京都千代田区、代表取締役:阪野 香子、以下「当社」)は、「営業職・レイヤー別管理職の給与調査レポート」を発表しました。

概要

日本能率協会マネジメントセンターが実施した調査によると、一般社員の77.3%が「管理職になりたくない」と回答(※1)。給与と責任が見合わないことや、自分には向いていないという意識を背景に、管理職への昇進を望まない若手社員が増えているといわれています。

一方、管理職になることを望む人にその理由を尋ねたところ、最も多かった回答は「報酬アップのため」でした。では実際に、管理職になると給与はどれほど上がるのでしょうか。

本記事では当社が保有する求人ビッグデータをもとに、営業職に絞ってレイヤー別の管理職の給与を比較・分析しました。管理職採用・育成に悩む企業の採用戦略や報酬設計の参考にしてください。

トピック

・営業系求人における管理職(リーダー以上)の割合は全体の約11.5%にとどまり、部長以上などの上位役職求人は約1.7%と厳選採用の傾向が見られた
・役職が上がるにつれて給与水準は高くなる一方、リーダーから課長への昇給率は15.7%と、責任の増大に対してやや緩やかな伸びにとどまった
・年収700万円相当の給与に届く営業系求人は部長クラスでも約半数であり、リーダー・課長クラスでは少数派であることが分かった
・ITエンジニア職では中間管理職(リーダー・課長)の昇給率が約+8%にとどまる一方、課長から部長以上への昇進では+56.4%と急激に上昇する傾向が見られた

管理職レイヤーの定義について

本調査では、求人情報に記載されたキーワードをもとに、求人を以下の4つのレイヤーに分類しました。役職名の表記は企業によって異なるため、「マネージャー」「主任」「部門責任者」など、同等の役割を示す代表的なキーワードを用いて分類しています。

メンバークラス:管理職(リーダークラス・課長クラス・部長以上)に該当するキーワードを含まない求人。
リーダークラス:「リーダー」「主任」「チーフ」「係長」のいずれかを含む求人。
課長クラス:「課長」「マネージャー」「管理職」のいずれかを含む求人。
部長以上:「部長」「事業部長」「部門責任者」「事業責任者」「役員」のいずれかを含む求人。

管理職レイヤー別の給与を徹底比較!

営業系の全求人に占める管理職の割合は?

営業系求人の管理職レイヤー別の給与を分析する前に、求人市場における管理職求人の割合を確認しましょう。

2026年6月時点では、管理職(リーダー以上)の求人は全体の約11.5%にとどまっており、企業の採用ニーズは現場で実務を担う人材に大きく偏っていました。

特に部長以上などの上位役職求人は約1.7%と、厳選採用が行われていると考えられます。

給与の上がり幅はどれくらい? 管理職のレイヤー間別に比較

次に、営業系求人の管理職レイヤー別の給与を見ていきましょう。

給与下限の平均額は、リーダークラスが約35.5万円、課長クラスが約41.1万円、部長以上が約51.3万円でした。役職が上がるにつれて給与水準が高くなっていますが、注目すべきは役職が一つ上がったときの昇給率です。

一つ前の役職と比較すると、給与の平均額は下記のようにアップしていました。

・メンバーからリーダー:約6.5万円アップ(+22.3%)

・リーダーから課長:約5.6万円アップ(+15.7%)

・課長から部長以上:約10.2万円アップ(+25.0%)

メンバーからリーダーへの昇進は、プレイヤーからチームを率いる立場への変化が評価され約2割の給与上昇が見込まれます。一方、リーダーから課長への昇進は、責任は増しながらも昇給率はやや緩やかでした。

そして課長から部長以上へ昇進する際には、マネジメントだけでなく事業や経営に関与することが期待されており、その責任範囲の拡大が報酬にも大きく反映されていると考えられます。

年収700万円もらえるのはどこから? 管理職レイヤー別・給与の分布を分析

「管理職になって良かった」と感じている人の年収中央値700万円を一つの目安とし、月給50万円・賞与2か月分と仮定して、各レイヤーにおける給与の分布状況を深掘りしていきましょう。

営業系求人において年収700万円相当の月給である月給50万円以上の求人割合は、メンバークラスで3.8%、リーダークラスで9.6%、課長クラスで24.9%、部長以上で52.9%でした。

年収700万円相当が多数派になるのは部長クラスからであり、リーダー・課長クラスで700万円に届く求人はまだ少数派であることが分かります。

このことから、業務量や責任が増える一方、部長クラスと比較すると給与の上昇幅が抑えられがちなリーダー・課長クラスでは、「管理職」という役割の魅力や満足度が低くなっている可能性が考えられます。

企業が管理職候補を確保するには、「管理職は割に合う」と感じられる環境づくりが重要です。特にリーダー・課長クラスにおいて負荷や責任に見合った待遇を整え、その先の部長以上のキャリアパスで待遇が大きく向上すると示せる企業が、今後管理職候補の確保・育成において有利になるでしょう。

また注目すべきは、役職が上がるほど企業間で給与のばらつきが大きくなっていることです。リーダークラスは20~40万円台に約9割が集中しているのに対し、課長クラスは30~60万円台、部長以上では40万円台から100万円以上まで幅広く分布していました。

管理職の中でも上位レイヤーほど、企業規模や業界によって報酬差が大きくなる構造になっているようです。

職種別×管理職レイヤー別 給与平均額(月給)を分析!

続いて、職種別で管理職レイヤーごとの給与の変化を比較しました。その結果、給与の上がり方には職種ごとに違いがあることが分かりました。

営業/企画職では給与の平均額は下記のようにアップしていました。

・メンバーからリーダー:約6.4万円アップ(+22.3%)

・リーダーから課長:約5.5万円アップ(+15.7%)

・課長から部長以上:約10.8万円アップ(+26.4%)

他の職種と比較すると比較的バランスよく給与が上昇しており、管理職としての責任が増えるたびに、待遇も段階的に改善される職種と言えるでしょう。

一方ITエンジニアは、メンバーからリーダー、リーダーから課長への昇給率がそれぞれ約+8%にとどまる一方、課長から部長以上への昇進では+56.4%と急激に上昇します。IT系職種では中間管理職までは待遇が抑えられ、経営に近いポジションへ昇進すると給与が一気に高くなる報酬体系を取る企業が多いようです。

また、建設/土木では課長への昇進時の昇給率がわずか+2.5%、医療/福祉では部長以上昇進時の平均給与が課長を下回るなど、職種によっては役職が上がっても給与が伸びないケースもありました。

本件の詳細は下記URLよりご覧ください
https://hrog.net/report/136497/